サッカーのみちしるべ
日本サッカー協会公認B級ライセンス保持(A級取得見込み)
プロサッカーコーチ9年目
小学生年代と中学生年代を中心に年間600コマ以上指導
・サッカーコーチの指導案の書き方がわからない...
・ライセンス取得のための指導案の書き方のコツは?
初めて資格の取得をするときに多くの方が悩むところかなと思います。
この記事では指導案の書き方について詳しくご説明することで、資格の取得をよりスムーズに行ってもらうために書きました。
というのも僕は現在B級ライセンスを取得していてA級ライセンスも取得見込みです。
そして9年間ほぼ毎日指導案を書き続けているので、書き方についてはそこそこ知識があると思います。
資格を持ってはいるが子供をなかなかうまくすることができない...そんな方でも見るとけっこうためになります。
それではどうぞ
目次
サッカーコーチ指導案の書き方【ライセンス取得】
これは実際にC級ライセンスのテーマでもある、パス&コントロールをテーマに設定し指導案を書いたものです。
この中には実際に講習会で行われている練習メニューもありますし、トレセンの練習会で行われているメニューもありますので参考になるかと思います。
- ウォーミングアップ
- TR1
- TR2
- ゲーム
- ルール
- キーファクター
この4つの練習メニューと2つの要素に分けて指導案を書いていくのが一般的です。
実際に練習をしている時はこのキーファクターに沿って指導をしていくことになります。
メモ
キーファクターを身に着けさせるために練習を行います。
この認識かなり大事です。
サッカー指導案の書き方【書く前にこれは必ず読んで】
指導案はあくまで練習前にするイメージであって指導案に縛られてしまうことは良くないということです。
それは練習は試合と一緒で何が起こるかわからないものだからです。
9年間ほぼ毎日指導案を書いている僕でも、想定していたことがそのまま起きて指導案通りにスムーズに進む可能性は本当に低いです。
もちろん僕の実力がまだまだということもありますが...
つまり状況に応じてルールやピッチサイズ、そもそものメニューを変更する必要があるということです。
サッカー指導案の書き方【最重要ポイント】
テーマを試合中に置き換えて考えて、練習メニューを考えるということです。
それは試合で生きる技術や戦術を獲得するために練習を行っているからです。
例えば練習で1回もコーンに当たらずドリブルできているけど、試合で相手にドリブルを読まれて取られてしまうなど
もちろんコーンドリブルがダメなわけではありませんが、試合で使える技術でないと意味がありません。
つまり試合で起きる状況をイメージしてピッチサイズ、人数、ルール、キーファクターなどを考えるということです。
それらをパス&コントロールというテーマに沿って考えたのが以下から詳しく説明していきます。
またライセンス取得についてはこちらの記事でまとめています。
-
サッカーコーチライセンス(資格)のまとめ
続きを見る
サッカー指導案の書き方【ウォーミングアップ】
ウォーミングアップはテーマの具体的な内容に入っていく前に、いきなり過度な負担をかけて怪我をする恐れを回避するためのものです。
もちろんここでも次のTR1に繋がるようなプレーが数多く出ることが望ましいです。
例えばパス&コントロールなのに、鬼ごっこをたくさん行っても身体のウォーミングアップにはなっているけど次のTR1に繋がるかと言ったらそうではないですよね。
あくまでライセンス取得のための指導案の書き方なので、すべての練習メニューがテーマに沿っていた方がいいです。
指導案の書き方①ウォーミングアップのコツ
テーマから逆算すると考えやすいです!
例えば守備のテーマなら、相手に近づいて奪うことがキーファクターにあげられます。
そのためウォーミングアップは鬼ごっこでもありです!
意外とウォーミングアップって考えるの難しいんですよね...
サッカー指導案の書き方【TR1】
TR1ではそのテーマに沿ったプレーが多々起こるような形にすることが大事です。
そして必ず相手がいる練習にしないといけません。
例えばパス&コントロールというテーマならパスとコントロールが多く出るルールやピッチが望ましい。
しかしシュート練習などにするともちろんパス&コントロールというプレーは起こるけど、シュートというところに意識がいってしまい肝心のパス&コントロールが薄れてしまう可能性もある。
だからここでは比較的簡単なルールで、たくさんパス&コントロールが起こる練習を考えました。
指導案の書き方②TR1のコツ
キーファクターを身に着けさせる具体的な最初のTRなので、ルールなどはより簡単な方がいい!
キーファクターを身に着けさせることを考えるあまり難しいルール設定になってしまうことが多々あります...
それではTRのルールを覚える、テンポを掴むだけでTR1を終えることもあります。
だからここではより簡潔に、なおかつキーファクターを複数回反復させるメニューが大事です!
サッカー指導案の書き方【TR2】
TR2ではTR1の応用編というイメージ
ここではより試合に近づけていかないといけないため、できるだけゴールがあってGKもいて攻撃方向も存在し攻守の切り替えもあることが条件
僕もわざわざ難しい内容のメニューにせずにほぼ試合に近い形でシステムを3-2で指定をしています。
さらにアウトボールをコーチからGKに出すことで、パス&コントロールを複数回行わない相手ゴールまでいけないようにしています。
なぜ3-2+GKにしたかというと相手のFWが2枚なのでDF3人とGK合わせて4vs2の状況を作ることで、パス&コントロールをより引き出しかったということ
これを2-1-2などのどの局面も数的同数にしてしまうと、マークを外すことが必須になるのでパス&コントロールにフォーカスしにくいのです。
もちろんそれも含めてサッカーなのでレベルを見て必要ならシステムチェンジをしてもいいかなと思います。
指導案の書き方③TR2のコツ
ここではより試合に近いルールやオーガナイズが大事!
次のフェーズがゲーム(試合)になるので、ここではより試合に近づけたものが必要です。
ただ試合に近づけすぎるあまり、キーファクター獲得のためのプレーが出なくなると本末転倒です。
個人的にはこのTR2が指導案で1番難しいところだと思っています。
サッカー指導案の書き方【ゲーム】
最後は試合
ここでも通常の試合というよりも少しだけテーマであるパス&コントロールが起こりやすくなるようにアウトボールはGKからとしている。
そうすると必ずGKからパスで始めないといけないので、パス&コントロールというプレーが起こりやすくなります。
要はテーマに沿った現象をできるだけ試合の中でたくさん経験できるようにちょっとしたルール設定が必要になるということです。
指導案の書き方④ゲームのコツ
試合!だけどTRの中における試合なので、少しのルールを加えることでよりキーファクターを獲得しやすいようにする!
ただ試合をするだけではなかなか選手は伸びませんし、ライセンスも取得できないかもしれません。
試合の中でアウトボールをGKからにする、オフサイドを無しにするなどテーマに合わせて簡単なルール設定をすることが望ましいです。
サッカー指導案の書き方【キーファクターの考え方】
キーファクターはそのテーマを獲得するにあたって大事になるポイントということです。
パス&コントロールというテーマでは、パスとコントロールの質を上げることが目的
- パスの質
- 何のためにパスをするのか
- ボールを奪われないこと、ボールを前に進ませるため
- パスはできるだけ前方向に出す方がいい
- 仲間のゴールに近い足にパスを出すことが大事
- ただし相手がマークしているなら相手から遠い方の足の方がいい
- つまりパスの受け手の状況を観ないといけない
・キーファクター
①受けての状況を観ること
②前進できるならゴールに近い足
③前進できないなら相手から遠い足
- コントロールの質
- なんのためにコントロールするのか
- 相手に取られないため、次のプレーにスムーズに移行するため
- 相手とスペースを観ないといけない
- そのうえで次のプレーがしやすいコントロールを行う
・キーファクター
①ボールを受ける前に周りの状況を観ておく
②ボールを受ける前にあらかじめ次のプレーを考えておく
③そのうえで次のプレーに適した場所にコントロールする
このような感じで考えていきます。
一見難しそうに見えますが、何度も考えているとすぐにわかるようになります。
というよりこれを自分でしっかりと練って練って考えることが良い練習になるポイントです。
だからしっかりとこのテーマで何を獲得させたいのかを考えてみましょう
サッカーコーチ指導案の書き方【まとめ】
以下それぞれの練習メニューを考えるにあたってポイントとなる点をまとめました。
・ウォーミングアップ
いきなり過度な負担をかけないように運動量が少ないメニューにする
次のTR1のための導入部分を軽く行えるようにする
・TR1
テーマに沿ったプレーが多々起こるようにする
相手がいないコーンドリブルなどはせずに相手がいるメニューにする
・TR2
より試合に近づくように相手、ゴール、GK、攻守の切り替え、一定の攻撃方向になるようにする
TR1での応用編なので少し難易度を高くする
・ゲーム
単純に試合をやらせるというより、ちょっとしたルール設定でテーマに沿ったプレーが起こりやすくする
この上記の表だけ抑えてればOKです。
長々と書きましたが慣れればすぐに書けます。
というより何度も言いますが、この準備段階が非常に重要です。
良い指導案を書けた→悪い練習だったor良い練習だった
悪い指導案を書いた→悪い練習にしかならない
だからまずはこの指導案を書いてみましょう。
そしてこのポイントを抑えてC級ライセンスのための指導案をかいてください。
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