・ネガティブトランジションってなに?
・どんな種類があるの?
・どうやって構築されるの?
今回は上記の疑問を解決していきます。
サッカー観戦をしているとたまに「ネガティブトランジションが速いですね~」と聞くことがあると思います。
それってなんなん!って思った経験はないでしょうか?
そして一言でネガティブトランジションと言っても実は大きく3種類に分かれているのです。
今回はそんなネガティブトランジションについて解説していきます。
そのためこの記事を読めばネガティブトランジションについて深く理解できて、サッカー観戦がより楽しくなります。
もちろんコーチの方にも参考になる記事になっております。
それでは解説していきます。
本記事の信頼性
・プロサッカーコーチ
・サッカースクール経営
20年間サッカーと共に生きているのでそこそこ詳しいですm(__)m
目次
ネガティブトランジションとは切り替えのこと
上記にあるようにネガティブトランジションとは攻撃から守備の切り替えの瞬間のことを言います。
つまりボールを奪われた瞬間ですね。
5年位前までは「攻守の切り替え」と呼ばれていましたが、少しづつネガティブトランジションという言葉が一般的になりつつあります。
なぜ攻守の切り替えと呼ばれなくなってきているのでしょうか。
攻撃と守備の概念の変化
一般的にボールを持っている方が「攻撃」ボールを持っていない方が「守備」と考えられていました。
しかし近年ではボールを中心ではなく自分たちの捉え方によって攻撃と守備が分けられるのではないかという議論があります。
攻撃と守備の概念
・ボールを持っていなくても自分たちが攻撃的な姿勢なら「攻撃」
・ボールを持っていても得点を取られないための保持なら「守備」
例えばリバプールはあえて相手に攻撃的なポジション取らせて奪った瞬間のカウンターアタックを狙っていたり。
マンチェスターシティなどポゼッション型のチームはボール保持を長くすることで相手に攻撃のチャンスをそもそも与えないとか。
ここから切り替えの瞬間もボールを取った(取られた)というボール中心に「攻守(守攻)の切り替え」と呼ぶべきではないという考えに至ったということです。
そしてこのネガティブトランジションは試合に大きな影響を及ぼします。
試合に大きな影響を及ぼす
ネガティブトランジション(ポジティブトランジション)が関わる得点は全得点のうち、50%を超えると言われています。
以下全得点率のデータです。
・トランジション(50%~60%)
・セットプレー(20%~30%)
・組織攻撃(20%~30%)
これはつまりトランジションの局面がどれだけ試合に大きな影響を及ぼすかということを表しています。
パスを5本以上繋ぐような組織攻撃において得点を取ることは年々難しくなってきています。
ポゼッションサッカーとは何かを「誰でも理解できるように解説」でも解説しているので合わせてどうぞ
つまりトランジションを制する者は試合を制すると言っても過言ではないと思います。
それではここからネガティブトランジションの3種類を解説していきます。
ネガティブトランジション3種類
チームでネガティブトランジションを構築する際は大きくこの3種類に分かれます。
もちろんサッカーの戦術は「状況により変化するもの」ですが、ある程度チームのプレーの共通認識を持つ必要があります。
ネガティブトランジションの種類
- 即時奪回
- 撤退
- 即時奪回&撤退のミックス
それぞれ代表的なチームと合わせて解説していきます。
即時奪回
即時奪回とはその名の通り「取られた瞬間に取り返すこと」です。
一般的にボールを支配したい、長い時間ボールを持ちたいチームが採用しますね。
・バルセロナ
・レアルマドリード
・パリサンジェルマン
・マンチェスターシティ
・バイエルンミュンヘン
・ドルトムント
特にポゼッションサッカーの代表的な監督であるグアルディオラ監督やゲーゲンプレスのクロップ監督は好んで即時奪回を行います。
4-2-3-1や4-3-3と相性がいい
上記2つはボール周辺に人数もかけやすく、即時奪回に適したフォーメーションと言えます。
下記記事にてそれぞれの特徴を解説しているので合わせてどうぞ
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サッカー4-2-3-1フォーメーションの特徴と相性をプロコーチが解説
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サッカー4-3-3フォーメーションの特徴と相性をプロコーチが解説
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相手が組織攻撃へ移行するチームにも相性がいい
相手がポジティブトランジションにおいて組織攻撃へ移行する傾向が強いと即時奪回の効果は抜群です。
相手がポジションを取ることで、ゴール前のスペースが空いたりするからですね。
ポジティブトランジションについては下記記事にて解説しているので合わせてどうぞ
-
試合を制するための「2種類のポジティブトランジション」を徹底解説
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撤退
撤退とは「取られた瞬間に自陣に戻ること」です。
即時奪回の対比するものですね。
一般的に下位チームなど得点を取ることより失点を減らすことを目的にするチームが採用します。
即時奪回&撤退のミックス
これはポジション別で即時撤回と撤退をミックスするということです。
例えば以下
・FWとWGは即時奪回
・ボールに近いボランチは即時奪回
・ボールに遠いボランチは撤退
・その他は撤退
これを採用していることが多いのはアトレティコマドリードのシメオネ監督ですね。
4-4-2と相性がいい
2トップいる場合は即時奪回にも撤退にも両方行いやすいので、ミックスの場合は4-4-2が適していますね。
4-4-2については下記記事にて解説しているので合わせてどうぞ
-
サッカー4-4-2フォーメーションの特徴と相性をプロコーチが解説
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ネガティブトランジションの構築方法
それでは3種類あるネガティブトランジションを何を基準に決定しているのでしょうか。
それは大きく以下の2つです。
ネガティブトランジションの構築方法
- プレーモデル
- 選手の特徴
それぞれ簡単に解説していきます。
プレーモデル
プレーモデルとはざっくり言うと、「チームがどんなサッカーをしたいのか?」ということを言葉で表したものです。
例えばバルセロナやマンチェスターシティなら「ボールを支配しながら得点を目指す」みたいな感じですね。
それにそってネガティブトランジションも構築する必要があります。
- プレーモデル(ボールを支配しながら得点を目指す)
- ボールをより支配できるようにする
- ネガティブトランジションでは「即時奪回」を採用する
上記のような感じですね。
選手の特徴
そしてもちろん選手の特徴によっても変化させる必要があります。
例えば足が遅いCBがいるのか、早いセンターバックがいるのかでは効果的なネガティブトランジションは異なります。
- 足が遅いCB→撤退しないとリスクが高い
- 足が速いCB→即時奪回に失敗してもなんとかなる
みたいな感じですね。
ポジションごとの役割はある
とはいえですね、チームでどんなネガティブトランジションをするのか決定しますがポジションごとに最低限やらないといけないこともあります。
例えば基本的にFWは即時奪回のために切り替えを早くするとかですね。
チームとしての考えがある一方で、個人としてポジションごとにやるべきこともあるということです。
両方とも考えたうえで、ピッチ上で瞬時に判断しないといけないのでサッカーは本当に難しいスポーツです...
ポジションごとの役割は下記記事にてすべてまとめていますので合わせて読むとより理解が深まります。
-
サッカーの全ポジションの役割はこの1記事で理解できる「まとめ」
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ネガティブトランジション「まとめ」
ネガティブトランジションとはボールを取られた瞬間のことを言います。
また以下の3種類があります。
ネガティブトランジションの種類
- 即時奪回
- 撤退
- 即時奪回&撤退のミックス
チームで以上の3種類をどのように決定しているのかは以下のものが基準になります。
ネガティブトランジションの構築方法
- プレーモデル
- 選手の特徴
以上です。
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