・5レーン理論ってなに?
・それってどんなメリットがあるの?
今回は上記の疑問を解決していきたいと思います。
5レーン理論というとペップグアルディオラがバイエルンミュンヘンの監督時代に、ピッチに縦に4本線が引かれた練習を行ったことで有名になった言葉です。
でも実際それにはどんな意味があるのか?また試合に勝つためのメリットがあるの?といったことを今回は解説していきます。
つまりこの記事を読めば5レーン理論とは何かを理解できて、よりサッカー観戦が楽しくなるということです。
もちろんコーチの方も参考にしていただける内容になっております。
本記事の信頼性
・プロサッカーコーチ9年目
・サッカースクール経営
・B級ライセンス所持
今まで1500人以上を指導してきたので、そこそこサッカーは詳しいと思います。
それでは解説していきます。
動画でも解説しています。簡単に知りたい方は動画、じっくり見たい方はテキストと言う風にお希望の方でお調べください!
目次
5レーン理論とはピッチを縦に5分割した概念のこと
5レーン理論とは上記の通りピッチを縦に5分割したもののことを言います。
言葉ではわかりにくいと思うので、下図をご覧ください。
呼び名は上記の画像の通りです。
このようにピッチを5分割することを5レーン理論と呼びます。
戦術ではない
よく勘違いされる方がいらっしゃいますが、これは戦術ではありません。
戦術とは集団で行うアクションのことを言います。
でもこれは概念であり、戦術ではありません。
この理論を用いて、何かしらのアクションを用いて初めて戦術となります。
(まぁ正直どっちでもいいんですが、一応サッカーコーチとして言葉の定義をはっきりしておきたくてm(__)m)
5レーン理論のメリット
ピッチを5分割することで以下のメリットがあります。
メリット
- 選手がどこにいるべきかわかりやすい
- 選手が何をするべきかわかりやすい
- チームがやりたいサッカーを具現化しやすい
それぞれ解説していきます。
選手がどこにいるべきかわかりやすい
この理論を用いてある条件を付けることで選手は自分がどこにいるべきかわかりやすくなります。
例えばこの理論を用いて以下のような条件を付けたとします。
・同レーンに2人以上いてはいけない
・1列前(後ろ)の選手と同じレーンにいてはいけない
・2列前(後ろ)の選手と同じレーンにいること
ざっくりこんな感じの条件だとします。
この条件に沿った立ち方をするとこんな感じです。
(列は赤線で表現しています)
逆にこの条件が満たせていない立ち方はこんな感じ
かなり極端な例ですがこんな感じです。
つまりこのようにピッチを5分割してある条件を付けると、選手がどこに立つべきなのかということをわかりやすいということです。
この理論がない場合
この理論がない場合は選手がどこに立つべきかわかりにくいです。
というのももし監督から「おい!トップ下!もう少し中に立ってくれ!」と言われても「もう少しってどこだよ。」ってなります。
それが「ハーフレーンに立ってくれ!」って言われたら「OKここだな」ってなるわけです。
選手が何をするべきかわかりやすい
そしてエリアを分割することで選手が何をするべきかもわかりやすくなります。
例えば以下の条件を付けたとします。
・相手のサイドレーンに入ったら一気にプレスを行う
・1stDFはサイドハーフが行う
・カバーの選手は同レーンもしくは隣のレーンにはいること
・この場合逆サイドレーンにはいてはいけない
こんな感じになります。
このようにエリアを分割することで選手がこのエリアにおいて何をするべきかということがわかりやすくなります。
チームがやりたいサッカーを具現化しやすい
つまりこの5レーン理論の概念を取り入れることで、チームがやりたいサッカーを具現化しやすくなるということです。
もちろんこの理論がなくてもやりたいサッカーを具現化できるチームもありますし、エリア分割をしなくても理解できる選手はいます。
ただどっちの方がわかりやすいのか?でいうとこの理論を用いた方がわかりやすいのではないかと思います。
グアルディオラ監督はここが整理されているから、あのような魅力的なサッカーができるのでしょう。
ペップグアルディオラ監督「8つの戦術」を誰でも理解できるよう解説にて彼の特異な戦術を解説しているので合わせてどうぞ
しかしもちろんこの理論にもデメリットもあります。
5レーン理論のデメリット
エリア分割をすることで選手がわかりやすいとったメリットがある一方で、以下のデメリットもあります。
デメリット
- そこにいることが目的になる
- 手段が目的になる
それぞれ解説していきます。
そこにいることが目的になる
例えば同じような条件でも目的を明確にしないと、そこにいることが目的になってしまい状況に合わせた柔軟な対応ができなくなります。
・同レーンに2人以上いてはいけない
・1列前(後ろ)の選手と同じレーンにいてはいけない
・2列前(後ろ)の選手と同じレーンにいること
このように明らかににボールが奪われそうな状況でも、上記の条件を満たすことが目的になってしまい、ボールを奪われる確率が高くなります。
そのため上記の条件の中に「ボールを奪われずに前進することが目的」ということを明確にしていると下図のようなプレーを行うようになります。
手段が目的になる
つまりピッチのどこで、何をするべきかということはあくまで手段であり、その手段が目的になってしまうことがあるということです。
そのためもしこの5レーン理論に基づいた条件を設定するなら、目的を明確にしその目的を達成するための柔軟な考え方が求められます。
逆に言うと5レーン理論が戦術、目的になっているチームはたいていの場合上手く攻撃と守備を行うことができていません。
おそらく、指導者の方がここで悩むことは多いと思います。
5レーン理論「まとめ」
最後にまとめです。
5レーン理論とは戦術ではなく、あくまでピッチを5分割した概念です。
そして以下のメリットデメリットがあります。
メリット
- 選手がどこにいるべきかわかりやすい
- 選手が何をするべきかわかりやすい
- チームがやりたいサッカーを具現化しやすい
デメリット
- そこにいることが目的になる
- 手段が目的になる
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