・偽サイドバックってなに?
・メリットやデメリットは?
・チームで採用する際の注意点は?
今回は上記の疑問を解決していきます。
ポステゴグルー監督の横浜マリノス、マンチェスターシティ監督のペップグアルディオラ監督が「偽サイドバック」を活用していることが有名ですね。
しかし、偽サイドバックって何なのか?またどんなメリットデメリットがあるのか。ということを知らない方も多いと思います。
そんな方のために今回の記事で偽サイドバックを完全理解していただきたいと思います。
つまり偽サイドバックとは何かが理解できて、サッカー観戦がより楽しくなるということです。
記事の信頼性
もちろんコーチの方も偽サイドバックを採用する際の参考にしていただける内容になっております。
それでは解説していきます。
目次
偽サイドバック戦術とはサイドバックが中央寄りのポジションをとること
偽サイドバックと聞くと「サイドバックがいないの?」と思いますが、実際サイドバックの選手はいます。
本来サイドバックの選手はピッチの横線いっぱいまで広がる役割でしたが、それを中央寄りのポジションを取ることを偽サイドバックと呼びます。
下図を見てください。
赤チームの右サイドバックは4-3-3フォーメーションでいうと本来ピッチの横幅をいっぱい広がるようなポジションを取ります。
ここから攻撃時の基本システムとして偽サイドバックが中央寄りのポジションを取ることを偽サイドバックということです。
また細かい話にはなりますが、フォーメーションとシステムは意味が若干違います。
サッカーの全フォーメーションを完全理解できる渾身の1記事でその辺りは解説しているので合わせて読んでもらえるとより理解が深まると思います。
マンチェスターシティの例
マンチェスターシティが現在偽サイドバックを採用している代表的なチームになりますね。
下図のような感じになります。
ウォーカー、メンディが中央寄りのポジションを取り、その分サイドにいるベルナルドシウバとスターリングがピッチいっぱいに広がります。
ペップグアルディオラ監督「8つの戦術」を誰でも理解できるよう解説にてグアルディオラ監督の戦術を解説しているので合わせてどうぞ
バイエルンミュンヘンの例
現在ではマンチェスターシティが良く採用していますが、1番初めにこれを取り入れたのが当時ペップグアルディオラ監督率いていたバイエルンミュンヘンですね。
(厳密にはもっと以前からあったが、このころから偽サイドバックという言葉が流行した)
当時のバイエルンミュンヘンはこんな感じですね。
横浜マリノスの例
2019シーズンではリーグチャンピオンに輝いたマリノスですが、その特徴的な戦術が偽サイドバックでしたね。
バイエルンミュンヘン、マンチェスターシティと違って基本フォーメーションが4-2-3-1から偽サイドバック戦術を行っていましたね。
偽サイドバック戦術のメリット
ところで、なぜ本来外側にいるサイドバックを内側にいれるのかというとそれは以下のメリットがあるからです。
メリット
- 中央で数的有利ができる
- ウィングが相手のサイドバックと1vs1になりやすい
- インサイドハーフが攻撃的にプレーできる
それぞれ解説していきます。
中央で数的優位ができる
本来サイドにいるサイドバックが中央寄りのポジションを取るということはもちろん中央に人が多くなるということです。
そうすることで相手よりも多くの人数を中央に確保できます。
もちろん数的優位になるかどうかは相手のフォーメーションにもよりますが、4-4-2などの場合数的優位になりやすいですね。
ウィングが相手のサイドバックと1vs1になりやすい
中央で数的優位ができるということは相手も中央に人数をかけざるを得なくなります。
それはつまりウィングが相手のサイドバックと1vs1になりやすいことになります。
それ普通にサイドに開いたときも同じじゃない?という方のためにそのバージョンの参考画像はこちら
サイドバックがサイドいる場合
この場合でもウィングにパスを出せなくは無いです。
たださっきよりも悪い状態(相手サイドバックからのマークの距離が近い状況)でボールを受けていることがわかると思います。
つまりよりウィングの選手のドリブルを生かしたい戦術と言えます。
インサイドハーフが攻撃的にプレーできる
本来インサイドハーフ(ボランチ、トップ下)攻撃と守備においてバランスを考えたプレーをしないといけません。
しかしサイドバックが内側に来ることでより攻撃的にプレーできます。
それはサイドバックが自身が行う役割を担ってくれるからですね。
偽サイドバック戦術のデメリット
どんな戦術を採用するのでもやっぱりデメリットはあるものです。
それは以下ですね。
デメリット
- サイドバックに強いプレッシャーがかかる
- カウンターでサイドを使われやすい
それぞれ解説していきます。
サイドバックに強いプレッシャーがかかる
下図を見ればわかりますが相手のウィングに近づくことになります。
それはつまりボールを受けた際にウィングから強いプレッシャーがかかることを意味しています。
そりゃもちろん相手から遠い場所の方が安全にボールを扱えますよね。
そういう意味ではこの偽サイドバックをする場合はサイドバックに通常より高いテクニックが必要になるということです。
カウンターでサイドを使われやすい
通常の場合でいうとボールを奪われてもサイドバックがサイドをケアしやすいです。
しかし偽サイドバックの場合はサイドに大きなスペースを空けることになるので、ここからカウンターアタックを狙われやすいです。
比較してもらえればわかると思いますが、サイドバックがより長い距離を走らなくいけなくなっていると思います。
試合を制するための「3種類のネガティブトランジション」を徹底解説ではもっと詳しく解説しています。
偽サイドバック戦術を採用する際の注意点
単にサイドバックが中央寄りのポジションを取るだけで、この戦術が効果的なものになるのかと言えば、全くそうではありません。
これがサッカーのおもしろいことでもあります。
以下の注意点を気にしないと偽サイドバック戦術を採用しているメリットを最大限に活用できません。
注意点
- ウィングが幅を取る
- インサイドハーフが一つ上がる
ウィングが幅を取る
サイドバックが広がらないなら、その分ウィングがは広がる必要があります。
それはピッチのスペースを最大限生かすためですね。
上図では最大限ピッチを活用できていません。
だから下図のようにウィングが幅をとることでチームが使えるスペースを広げる必要があります。
インサイドハーフが一つ上がる
インサイドハーフが元のポジションのままなら、複数の選手が同じエリアに入ってしまいもったいないです。
そのためインサイドハーフの選手が一つ前に上がることで、よりスペースを有効に活用できるということです。
またこの偽サイドバックと相性がいいフォーメーションとして4-3-3が挙げられます。
偽サイドバック戦術【まとめ】
もう一度メリット、デメリット、注意点を紹介します。
メリット
- 中央で数的有利ができる
- ウィングが相手のサイドバックと1vs1になりやすい
- インサイドハーフが攻撃的にプレーできる
デメリット
- サイドバックに強いプレッシャーがかかる
- カウンターでサイドを使われやすい
注意点
- ウィングが幅を取る
- インサイドハーフが一つ上がる
個人的にはかなり好みな戦術なので、自チームでも頻繁に活用します。
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